鈴木宏和の人生 VOL.5TSUMUGIキャピタル設立

日本の森を守りたいと
「木こり」に

自然に対する圧倒的な無力感
僕が木こりをやっても、埒があかない

KPMGを辞めて「木こり」になりました。
高校生の頃から地球を守りたいという思いが強くあり、地球を守るには世界の森かなと。世界の森のためには、まずは日本の森、日本の森と人を繋いでいくことをしたいなと考えました。

ただ、「木こり」をやってみて思ったのは、なんだろうな。自然に対する圧倒的な無力感。僕が木こりをやっても、これは埒(らち)があかんな、というのが、やってみて感じたこと。

「いや、やってみなくてもわかるんじゃないか」と言う人もいるんだけれど、やっぱりやってみないとわからないこともあると僕は感じています。

自分は何者なのか?

ビジョンクエストでの体験

木こりをやめて「自分は何者なのか?」を見い出したいとビジョンクエストに行きました。 ニューメキシコの大自然の中で1週間程ソロキャンプで過ごしましたが、初日の晩に強い「不安」「恐れ」がやって来ました。 それはわざわざアメリカのニューメキシコまで来てビジョンを得られなかったらどうしよう?というものでした。

その後、数日は太陽を浴びて起き、雄大な大自然を満喫し、雨が降ればタープの下で過ごし、虹を眺め、沈む夕陽をゆっくりと眺め、夜は星空の下で焚き火をする。そんな時間を過ごし、自分の中はとても平穏でした。

ただ、ソロキャンプの日程も終わりに近づくにつれとても不安になって来ました。素晴らしく幸せな時間を過ごしているけど、こんなんでビジョンを得られるのだろうか?僕はビジョンを得る為にやって来た。 例え毎日が苦難の連続でもいい、ビジョンを得たいと。

そんな時、ふと気づきました。自分は「楽しいとロクなことがない、苦難の先にこそ本質はある」と考えていることに。だから企業再生や国会事故調での経験も含めて、いくつもの修羅場をくぐり抜けて来たと。

ビジョンというものは自分の外からやって来るものだと思っていましたが、翌朝、ビジョンは自分の内側にあるものを受け容れるだけだということに気づきました。

「光り輝く存在として、地球の調和の為にベストを尽くし続ける」それが今の自分の中にあるビジョンです。 そして「自分は何者なのか?」この問いは今もずっと持ち続けていますし、死ぬまで問い続けるんだろうと思います。

SDGsへの想い
地球・世界平和の為に戦う?

満たされていない自分を
埋めるように活動していた

その後、仲間とSDGs(Sustainable Development Goals:国連サミットで採択された持続可能な世界を実現するための開発目標、2015年採択)に関する活動を始めようということになり、 ビジョンクエストの時に夢を見たこともあり、SDGsを軸とした研修・教育活動(一般社団法人イマココラボ)を始めました。

SDGsを全世界で合意できたというのは、やっぱり素晴らしいことだと、それを通じて世の中を良くしたいと思ったんだけれども、事業の立ち上げ時期ということもあり、 まあ、やること為すことあらゆる事がうまくいかない、うまくいかない(笑)。

「宏和はファシリテーターじゃないんだよね?」と仲間に言われて、じゃあ俺は何をすればいいんだ?って感じでした。

振り返って思うと、地球・世界平和の為に戦っていた感じですね。 自分が満たされていないのにそれを埋めるように地球そして世界に良いことをしようとして、そして周りを変えようとして、「なんでお前ら、SDGsの本質を分からないだ?」と感じながら伝えていたように思います。 誰もそんな人のエネルギーを受け取りたくないですよね(笑)

あらゆる事が
うまくいかない

自分は自分にしかなれない

経営の素養、自然への思い、人のつながり
すべてここにある

今まで慣れ親しんだ、経営コンサルや投資・金融の力も使おうと、TSUMUGIキャピタルという会社を設立し、 日本人材機構のシニアディレクターとしても働き始めてから、ようやく、自分を統合したなと思えるようになりました。

KPMGを辞め、それまで経営のコンサルティングや金融・投資等はある程度やってきたので、これからはあんまりやらなくていいかなと思ってました。 木こりやファシリテーションをやろうとして「自分は自分でないものになろうとしていた」ように感じます。

経営の素養もあるし、自然を大切にするという思いもあるし。人や社会を大切にしていきたいという思いも持ちながら、人のつながりも含めて、すべてここにある。 そこからどんな世界を創り出すか、今はそんなフェーズにありますね。

自分は本当の意味では、あるがままの自分にOKを出せていなかったけれど、でもそんな自分も含めて、自分は本当によく頑張ってきたなと、改めて「自分は自分にしかなれない」と心から思います。